麹が食料危機の救世主に!? 驚くべき麹の力とその可能性

日本の鹿児島に、麹研究においては世界一のレベルを誇る実験施設がある。
源麹研究所(霧島市、山元正博代表取締役)だ。

そもそも、日本に焼酎文化をもたらした河内麹菌自体、明治43年に現会長の祖父である河内源一郎氏が発見したもの。以来、3世代にわたって麹の力に魅了されているのが、この源麹研究所を含む河内源一郎商店グループだ。源麹研究所は、河内菌による天然の発酵技術を、環境保全、免疫抵抗力増強や健康維持に役立たせるため、日々研究を重ねている。

驚くべきことに、麹の力に注目しているのは食料品メーカーだけではない。源麹研究所の出資元をみると、トヨタ自動車、全日空、日本政策銀行と錚々たる社名が並ぶ。その理由のひとつに上げられるのが、麹の畜産における飼料削減効果。
山元会長によれば、餌に麹を混ぜることにより2割の飼料を削減できるという。いま、日本国内では豚の餌として600万トンの飼料が消費されている。それに、わずか6000トンの麹を与えるだけで、飼料要求率が改善されて、120万トンの飼料がいらなくなるとのこと。しかも、飼料を削減しても、麹には増体効果があるため家畜の体重は変わらないというのだ。

となると、全世界で消費されている家畜用飼料の削減分にあたる穀物を貧困国にまわすことにより、食料危機すら解消できるのではないか……という可能性も見えてくるのである。
さらに、麹を餌に混ぜると家畜の死亡率、病気の感染率も下がるということがわかってきている。鹿児島県内でも20万頭の子豚が死んでいるというウイルス性の病気にも、麹を使っている養豚場では1頭も罹らなかったという。これは、麹がプロピオン酸や酪酸といった善玉菌を増やし、免疫細胞を活性化させる働きをするためだ。

また、10年にわたって同社の麹を使っている北海道の大手酪農家のデータによると、牛に麹を与えはじめて2年後には、搾乳頭数が7割以上もアップ。除籍数も半分に減少したとのこと。
つまり、麹が牛の妊娠率を大幅に上げ、閉経率を大幅に下げたということだ。これは、酪農以外の畜産にも、大きな光を与えることになる。

麹がもたらす、畜産における革命的な効果、環境保全、食料問題、そして人間の健康促進……。同社の価値ある研究成果が、世の中に広く知られ、活用されていくことを期待している。