ダントツ企業オーディオセミナーVol.235 「東大発・ベンチャーの創りかた」

東大発・ベンチャーの創りかた

東大発・ベンチャーの創りかた

財務省役人よりも、起業家を目指しはじめた学生たち

東京大学 産学協創推進本部 イノベーション推進部長 
各務茂夫(かがみ・しげお)SHIGEO KAGAMI

突然だが、東大にいく学生の志望就職先は、どこだろうか?

今までの常識では、財務省をはじめとした中央官僚、弁護士もしくは医師志望がほとんどだろう。

しかし、な・なんと、東大の新入生の、10人に1人がベンチャー志望というのだ。



「うーむ。頭いいだけじゃ、ベンチャーできないんだよね……」と、水を差す発言も聞こえてきそうだが、実は、いつの間にか東大に、ベンチャーを育成する最高の場がつくられていた。



その場を、15年間にわたって支えてきたのが、東京大学・産学協創推進本部イノベーション推進部長の各務茂夫氏である。各務教授の話を聞いて、目からウロコが何枚も落ちた。

率直にいって、「今の東大の環境って、もしかして創造性の観点からは、ハーバードよりも上?」と思うほどである。



だから私は、話を聴き終えた瞬間、興奮して、当社の19歳のインターンに、「君は、東大にいきなさい。インターンとしての10倍目標は、東大合格だっ!」と言い渡したほどである。



東大のベンチャー育成は、あまりにも恵まれていると思う。

なぜなら基礎研究が進んでいるから、宝物の技術の種(ルビ:シーズ)がたくさんある。それが残念ながら、市場のニーズと噛み合っていないのだ。逆に言えば、シーズとニーズが組み合わされば、突然、黄金のニワトリがたくさん生まれることになる。



ここにフューチャーマッピングなどの創造的問題解決法や探求学習法を導入し、ワークショップなどを行えば、日本からノーベル賞受賞者が続々と輩出されるようになるだろう。また普通の学生が次々と、医療技術ベンチャーなどを起こせるようになるはずだ。



つまり ―――、日本は、やっぱりすごい可能性を持った国だ。

ただ各務教授の指摘によれば、優良ベンチャーの種を見いだすには、鍵となるポイントがあるというのだ。

それは、ビジネスモデルの優良さでもなければ、経営陣の優良さでもなく、また技術の優良さでもなかった。



この各務教授の指摘は、私の胸に突き刺さった。

ぜなら55歳になる私は、今までそのことを軽んじてきてしまったからだ。

しかし、あなたには ―― このポイントは、ぜひ今から、しっかりと受け止めておいて欲しい。大きな飛躍への突破口になるはずだ。

(2019年4月収録)



(ポイント)

・「核」となる人材がいればベンチャーの連鎖が始まる

・大企業から「人」を再配分すれば日本と世界の課題は解決へ

・「技術」で起業するには、通訳者・経営者の存在で可能に



東大発・ベンチャーの創りかた

東京大学 産学協創推進本部 イノベーション推進部長 
各務茂夫(かがみ・しげお)SHIGEO KAGAMI

1959年、生まれ。東京都出身。1982年、一橋大学商学部を卒業。株式会社ボストン・コンサルティング・グループに入社。1986年、株式会社コーポレイト ディレクション(CDI)の設立に創業パートナーとして参画。取締役主幹・米国CDIの上級副社長兼事務所長を歴任。
 1989年、スイスのビジネススクール、国際経営開発研究所(IMD)にて経営学修士(MBA)を取得。2000年には、アメリカオハイオ州のケース・ウェスタン・リザーブ大学経営大学院にて経営学博士(EDM)を取得。
 学位取得後、世界最大級のエグゼクティブサーチ会社、ハイドリック&ストラグルズのパートナー(ボード・プラクティス)に就任。日本企業のコーポレートガバナンスの改革に取り組む。
 2002年、東京大学大学院薬学系研究科「ファーマコビジネスイノベーション講座」の教員となる。2004年、東京大学 産学協創推進本部教授・事業化推進部長に就任。同年から2013年まで株式会社東京大学エッジキャピタル(UTEC)監査役。2013年4月から東京大学 教授、産学協創推進本部イノベーション推進部長に就任(現職)。

東京大学 産学協創推進本部
「大学」「大企業」「ベンチャー企業」という3つのプレイヤーをつなぎ、産業界と大学の連携を支援する組織。支援の1つは、研究者や学生の発明やアイデアなどをベースにベンチャー企業を創出・育成すること。またベンチャー企業と大企業との連携支援も進める。
http://www.ducr.u-tokyo.ac.jp/

■トラックリスト

TRACK1 大学の法人化で東大がベンチャー天国に
TRACK2 他校に先駆けベンチャーキャピタルを設立
TRACK3 研究者には「経営者」を引き合わせる
TRACK4 研究者でなくとも異分野の起業はできる
TRACK5 学生もポスドクも教員も「道場」で学ぶ
TRACK6 時価総額1兆円を目指し「世界を変える」
TRACK7 アーリーステージは「情報」「人」が集まる
TRACK8 「B to B」で日本のものづくりにチャンス
TRACK9 「課題先進国」日本が「解決先進国」に
TRACK10 神田昌典の今回のポイント

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